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【病気の解説】「胃がん」ってどんな病気?怖がりすぎず、でも見逃さないことが大切です【胃がんの解説】

胃がんってどんな病気?

「胃にがんが見つかりました」と聞くと、頭が真っ白になってしまう方も多いと思います。でもまずは深呼吸。胃がん(いがん)は、早く見つかればしっかり治療できることが多いがんです。大切なのは、“こわがりすぎず、でも放っておかない”ことです。

胃がんはその名のとおり、胃の内側の粘膜からがん細胞ができて、だんだん広がっていく病気です。多くの場合、初期にはほとんど症状がありません。「最近ちょっと胃が重いな」「すぐお腹いっぱいになるな」など、なんとなく感じていたことが、実は胃がんのサインだった…ということもあります。

胃がんの原因は何にがあるの?

原因のひとつとしてよく知られているのが、「ピロリ菌(きん)」という細菌です。これが長年胃に住みついていると、胃の粘膜に炎症が続いて、がんができやすくなることがあるのです。ほかにも、喫煙や塩分の多い食生活、遺伝的な体質なども関係すると言われています。

胃がんの治療はどうしたらいいの?

でも、今は内視鏡(カメラ)による検査や治療が進歩していて、早期の胃がんであれば「お腹を切らずに内視鏡だけで治療できる」ことも珍しくありません。たとえ手術が必要な場合でも、腹腔鏡など体に負担の少ない方法が選べることが多くなってきました。

治療法は、がんの大きさや深さ、広がり具合によって変わりますが、大切なのは「あなたにとって最も合った治療」を一緒に選んでいくこと。私たちは、あなたが納得して前を向けるように、わかりやすく、丁寧にご説明します。

胃がんは定期的な検査で早期に見つけることが何より大切です。特に「ピロリ菌がいると言われたことがある」「胃の不調が続いている」そんな方は、どうか検査を後回しにせず、今一度ご自身の体に目を向けてみてください。

少しの勇気が、大きな安心につながります。気になることがあれば、どうぞ遠慮なくご相談くださいね。

【参考資料:日本胃癌学会編:胃癌治療ガイドライン 医師用 2021年7月改訂 第6版.金原出版,東京,2021】
【参考資料:八尾建史,他:早期胃癌の内視鏡診断ガイドライン.Gastroenterol Endosc 61 : 1283―1319, 2019.】