【病気の解説】アルコール性肝障害ってどんな病気?お酒と肝臓、ちょっと距離を置く勇気も大事です【アルコール性肝障害の解説】
アルコール性肝障害ってどんな病気?
「最近ちょっと飲みすぎてるかな…」と思っていた頃に、健康診断で「肝機能の数値が悪いですね」と言われてドキッとした方もいるかもしれません。それ、もしかすると「アルコール性肝障害(あるこーるせい かんしょうがい)」かもしれません。
肝臓は、お酒を飲んだときにアルコールを分解してくれる臓器です。でも、たくさんのお酒を毎日のように飲み続けていると、肝臓はだんだん疲れてきて、うまく働けなくなってしまいます。その結果、脂肪がたまったり、炎症が起きたり、さらには肝臓の細胞が壊れて線維(せんい)に置き換わってしまうこともあります。
これが「脂肪肝」から始まり、「アルコール性肝炎(えん)」や「肝硬変(かんこうへん)」へと進行していくアルコール性肝障害の流れです。症状は初めのうちはほとんどありません。でも、進行してくるとだるさや食欲不振、黄疸(おうだん)などが出ることがあります。
アルコール性肝障害と診断されたらどうしたらいい?
大切なのは、「気づいた今」が、一番いいタイミングだということです。アルコール性の肝障害は、早い段階でお酒を控えたりやめたりすることで、肝臓が元の元気な状態に戻ってくれることが多いんです。肝臓は「沈黙の臓器」と言われますが、「回復力のある臓器」でもあるんですよ。
「でも急にお酒をやめるのは大変…」という方も多いと思います。無理に一人で頑張ろうとしなくて大丈夫です。私たちは「お酒をやめましょう」と言うだけではなく、「どうすればやめられるか」「どんなペースで」「どんな工夫ができるか」を一緒に考えるお手伝いをしています。
体の声にちょっと耳を傾けてみませんか?肝臓からの小さなサインを見逃さず、これからの自分のために、今できることを少しずつ始めていきましょう。
【参考資料:アルコール医学生物学研究会:JASBRAアルコール性肝障害診断基準(2011 年版).2012】